ストレスと上手につきあうために



九州心理カウンセリングセンター トポス の願い
      ~人と人をつなぐ心の調和を目指して~


私達は、心を通してお互いに結びつき、家庭や社会を築いています。
そして、それは、少し、編み物に似ているかもしれませんね。

うまく編み目が続くと、とてもきれいに揃っていくのですが、編み目を、抜かしたり、間違ったりすると編み物全体が、ほどけたり、曲がったりしてうまくいかなくなるし、何よりも、編む気力を失うと、編み物自体がストップしてしまいかねません。

こころを編んでいく人の、在りようによってそれが起こっているならば、その心の持ち主の在りようを、整えることが求められます。

もしかしてその心の持ち主は、知らず知らずのうちに、とても苦しんでいるかもしれませんし、傷ついた心を引きずったままかもしれません。
この先どう進んでいけばよいのやらとても混乱し、とまどっているのではないでしょうか。

そして、それは、多くの場合、人と人を結ぶこころの働きがうまくいっていないために、ストレスが生まれているからではないかと思います。

イラストなぜストレスが起きるのかというと、自分の欲求が満足できていないからです。
特に今のように変化が激しく、不況が長く続き、就職や転職もなかなかうまくいかない状況の中では、誰しも不安を感じやすくなってしまいます。

そしてこのストレスは、はけ口を求めてしまいがちなのです・・・。そのはけ口は、周りの人との関わりの中で、怒りや、攻撃、批判の言葉や行為で起きるのが大半です。
ある人は、攻撃的になって、つい怒ったり、ある人は、その攻撃を受けてしまって、心が痛んだり、自信を失ったり、ひどく疲れたり、恐れを感じたりする状況が、仕事や、家庭や色々な場で、起こりがちになっています。このように、人から人へとウイルスのように、ストレスが心に住み着くと、心の健康は損なわれ、やがて身体にも影響が及んでくるでしょう。

これが機械であれば、修理するとか、取替えるとかで何とかうまく働くようになるのでしょうが、心の働きを、うまく働かせるためにはどうすればよいのでしょう?

問題は、そのストレスの起こっている原因が様々であり、またその受け止め方も様々である、ということだと思います。

今更ですが、やはり私たち自身の心-すなわち自分自身の考え方や感じ方について、どうなのか、どうしたらよいのかを問う作業が、必要とされている気がしてなりません。しかしながら、自分の心の求めるものを見出すためには、自分一人だけの心では、なかなか理解が難しいものです。他者との共通するもの、違うもの、それぞれのもつ個性を、自分の心をふり返りながら、お互いの心の状態を感じ取りながらでないと、なかなか掴みにくいもの、だと思われます。

実際、私達は、ストレスとは長い付き合いを経てきています。多くの先人達は、人の心の問題のために、答えを求めて色々な教えを導き出し、残しています。 ギリシャの哲学者ソクラテスは、「汝自身を知れ」と、アリストテレスは、人は、人としての共通な感覚を持っているという考えを示したし、キリスト教や仏教は、愛の教えを始め、人生を生きるための教えの宝庫を今日に伝えてくれています。

自分自身のストーリーがどんなストーリーなのか、あなた自身の歩もうとする方向はどこなのか、是非、カウンセリングを通して見出していかれんことを切に願います。

人は一人ではなかなか生きていけない、時に、人とのストレスに疲れてしまうこともあるのですが、また思い直して、何度でも、自分の居場所を、人との中に求めるものです。その動きが、「生きていく」という、ことなのだと思います。

                      

九州心理カウンセリング学院 学院長
                      九州心理カウンセリングセンター
                       カウンセラー  遠藤 律子